インデックス投資とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説
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人生100年時代を迎え、長生きリスクに備えるために資産運用を始める人が増えています。
そのような投資初心者でも始めやすいのがインデックス投資です。
この記事ではインデックス投資の仕組みやメリット・デメリットについて解説します。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、市場全体の値動きを示す指数(インデックス)と連動した運用成績を目指す投資手法です。
代表的な指数として、ニュースなどでもよく見かける「日経平均株価」「TOPIX」「NYダウ」などがあります。
インデックス投資は通常、インデックスファンド(投資信託)を証券会社や銀行などの金融機関から購入し、おこないます。
たとえばTOPIXをベンチマーク(運用指標)にしたインデックスファンドとは、TOPIXが2%上昇したら、同じく2%上昇する成果を目指す運用をおこなう投資信託のことです。
インデックスファンドとアクティブファンドの違い
投資信託は運用方法によって、主に「インデックスファンド」と「アクティブファンド」にわけられます。
インデックスファンドは指数に連動することを目指しますが、アクティブファンドは指数を上回る運用成果を目指す投資信託です。
アクティブファンドは運用の専門家であるファンドマネージャーが銘柄の選定に経済動向の調査や分析など、より手間をかけておこなうため、信託報酬などの運用コストがインデックスファンドよりも高い傾向にあります。
コストを抑えた運用をしたい場合は、アクティブファンドよりもインデックスファンドの方が適しているのです。
長期で運用すればするほど保有コストである信託報酬のコスト負担は大きくなるため、長期投資を考えている人もインデックスファンドから始めるとよいでしょう。
インデックス投資のメリット
インデックス投資のメリットについて解説します。
初心者でも値動きがわかりやすく、リスクを抑えられる
インデックス投資では日経平均株価やNYダウなど、特定の指数に連動するインデックスファンドを購入します。
日経平均株価やNYダウなどはニュースで見る機会も多く、値動きがわかりやすいというメリットがあります。
またインデックスファンドは複数の銘柄を購入しているのと同じ効果があるため、リスクを抑えた運用が可能です。
たとえば日経平均株価に連動するインデックスファンドなら、日経平均株価に採用されている225銘柄に分散投資しているのと同じ運用ができるのです。
コストが比較的低い
インデックスファンドは銘柄選定の手間がかからないため、ファンドマネージャーが自ら銘柄を選ぶアクティブファンドよりもコストが低い傾向があります。
投資信託にかかる主なコストとは以下の3つです。
- 販売手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
主なコストについて説明します。
販売手数料
投資信託の購入時に証券会社や銀行などの販売会社に直接支払う手数料のことです。
基本的に購入金額の0~4%ほどを販売手数料として支払います。
たとえば100万円分の投資信託を購入する場合、販売手数料3%のファンドでは103万円を支払う必要があります。
販売手数料がかからない「ノーロードファンド」を購入すると、投資額の100万円のみ支払えばいいのです。
信託報酬
信託報酬とは投資信託を保有している間、ずっと支払い続ける費用のことです。
投資信託を長期で保有すればするほど信託報酬は大きくなります。
信託報酬はファンドによって異なりますが、年率0.15~2.5%程度かかります。
ファンドの運用成績に関して投資家は何もできませんが、信託報酬などのコストは選ぶことができます。
投資信託の運用成績を上げるためには、継続的にかかるコストである信託報酬をいかに抑えるかが大事といえるでしょう。
信託財産留保額
信託財産留保額は投資信託を解約するときに支払う手数料です。
運用会社や販売会社の利益になるのではなく、投資信託の純資産総額に加えられて運用資金に回されます。
インデックスファンドでは信託財産留保額が設定されていないファンドも多くあるため、解約時に信託財産留保額がかかるかどうかもチェックしておきましょう。
インデックス投資は手間がかからない
インデックス投資は手間がかからないというのもメリットです。
ベンチマークの指数などを決めれば、ファンドを選ぶ手間はほとんどかかりません。
個別株に投資する場合には業績や株価などを分析する手間や時間がかかりますが、インデックス投資は運用をすべて任せられるため、最小限の手間で投資を始めたいという人に向いているのです。
インデックス投資のデメリット
インデックス投資のデメリットについても解説します。
元本が保証されていない
インデックスファンドの運用対象は目標となる指数に採用されている銘柄群とほぼ同じ構成になることが一般的です。
そのため、個別株投資のように大きな損失がでる可能性は低いものの、元本が保証されているわけではありません。
購入した金額よりも売却額が下回る可能性があるのです。
インデックス投資にもリスクがあることを理解し、必ず余裕資金で投資するようにしてください。
短期間で大きな利益を狙えない
インデックスファンドは複数の銘柄に分散投資しているのと同じ効果があるので、短期間で大きな損失をだす可能性は低いものの、大きな利益を狙うことも困難です。
ただ、資産運用は短期ではなく、長期でコツコツと続けていくものです。
短期ではなく、長期での運用成果を意識するようにしましょう。
保有コストがかかる
インデックスファンドはアクティブファンドよりも保有コストである信託報酬が安い傾向にあります。
ただし、20~30年といった長期での運用は年0.1%の信託報酬の違いでも、運用成果が大きく異なってきます。
インデックスファンドを選ぶときは販売手数料だけではなく、信託報酬も確認するとよいでしょう。
インデックスファンドは長期・積立・分散投資に適している
インデックスファンドは複数の銘柄に分散投資していることや、保有コストである信託報酬が安いことから、長期・積立・分散投資に適しています。長期・積立・分散投資のメリットは、以下の3つです。
- ドル・コスト平均法で価格変動リスクを抑えられる
- 投資の仕組み化ができる
- 少額から始められる
それぞれ詳しく解説します。
ドル・コスト平均法で価格変動リスクを抑えられる
ドル・コスト平均法とは、毎月1万円など決まった金額を積立投資していく手法です。
相場の変動に関係なく一定額を投資していくことで、価格変動リスクを抑える効果があります。
毎月一定額を積み立てておけば、相場が下落しているときには投資信託の口数を多く買うことができます。
価格変動リスクを味方にして、損失を軽減する効果があるのです。
投資の仕組み化ができる
毎月25日など決まった日に投資信託を購入すると決めておけば、買い付けのタイミングに迷うことはありません。
また、多くの金融機関では積立投資の際に自動振替のサービスが利用できます。
通常の株式投資をおこなう場合、証券口座に入金しなければなりません。
自動振替を利用すれば、毎月指定された日に決まった金額を銀行などの金融機関から引き落とされるため、証券会社の口座に振り込む手間を省けます。
投資を仕組み化できるため、ほったらかしで資産運用できるというメリットもあります。
少額から始められる
ネット証券を利用すれば投資信託の積立投資を100円から利用できます。
まとまったお金を用意する必要がないため、投資信託の積立投資を気軽に始められるのです。
「資産運用」というとハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、まずは少額から始めてみることをおすすめします。
代表的なインデックス
複数ある指数の中で、「株価指数」に連動することを目標にするインデックスファンドが多くあります。
そこで、代表的な株価指数について解説します。
日経平均株価:国内株式
日経平均株価はわが国を代表する株価指数で、東証一部に上場している225銘柄を日本経済新聞社が算出・公表しています。日経平均株価のインデックスファンドは個人投資家にも人気があります。
TOPIX(東証株価指数):国内株式
TOPIXは東証一部に上場する全銘柄を対象として算出した指数です。
日経平均株価が225銘柄を対象としているのに対し、TOPIXは東証一部に上場している約2,200銘柄(2021年3月末時点では2187社)が対象なため、より幅広い銘柄に分散投資できるのが魅力です。
機関投資家の多くは日経平均株価よりもTOPIXをベンチマーク(運用指標)にしています。
NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均):米国株式
海外の株価指数ではNYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)が最も有名です。
アップルやマイクロソフトなど米国を代表する30銘柄を、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが選出して指数化しています。
S&P500種株価指数:米国株式
ニューヨーク証券取引所やNASDAQなど米国の取引所に上場している米国企業の中で、流動性のある大型株から選ばれた500銘柄で構成されている指数です。
多くの機関投資家がベンチマークにする指標で、インデックスファンドもS&P500種株価指数を対象にしたものが人気あります。
DAX指数:ドイツ株式
DAX指数は欧州を代表する株価指数です。
フランクフルト証券取引所に上場しているドイツ企業の中で、優良30銘柄が対象。
1987年12月31日の株価を基準値1,000として算出しています。
MSCIコクサイ・インデックス:先進国株式(日本を除く)
MSCIコクサイ・インデックスは、日本を除く先進国の株価動向を示す代表的な指数です。
日本を除く先進国22カ国に上場する銘柄で構成されており、時価総額ベースで市場の約85%をカバーしています。
先進国の株式に幅広く分散投資したいときは、MSCIコクサイ・インデックスのインデックスファンドを購入するのがオススメです。
まとめ
インデックスファンドへの投資は幅広い銘柄に分散投資しているのと同じ効果があるため、リスクを抑えた資産運用ができます。
投資信託のため運用も任せられ、投資初心者にもオススメです。
ただし、インデックスファンドは元本が保証された金融商品ではないため、必ず余裕資金で投資するようにしてください。