今話題の「ほったらかし投資」とは|概要や注意点について解説します
この記事の目次
昨今、日本における経済情勢や少子高齢化に伴う働き手の減少などを受け、お金に関する不安を抱えている方も少なくないでしょう。
とはいえ、不安解消のために投資を始めようにも、そこまで知識があるわけでもなければ、普段忙しくて時間をかけられないと諦めてしまってはいませんか。
そんな方におすすめなのが「ほったらかし投資」です。
ほったらかし投資とは投資初心者でも取り組みやすい投資方法のことで、いま人気を集めています。
今回の記事ではそんなほったらかし投資の始め方や注意点について、まとめてみました。
1.ほったらかし投資とは
ほったらかし投資とは「事前に投資環境を整え、あとはそこまで手間をかけずに放置しておく」投資方法のことです。
ほったらかし投資にはいくつかの投資対象がありますが、長期的にコツコツと積立投資を行うといった点が共通項として挙げられます。
また、投資でリスクヘッジをする際に欠かせない「長期分散投資」を叶えてくれる手段のひとつであるといえるでしょう。
2.ほったらかし投資では投資信託の積み立てがおすすめ
ほったらかし投資の対象として、とくにおすすめなのが「投資信託」の積み立てです。
投資初心者が個別株など、動向で一喜一憂する恐れが高いものに挑戦するのはハードルが高く、リスクを考えるとおすすめできません。
一方、投資信託は手間暇がかからないことに加え、実際の運用をプロのファンドマネージャーに任せられるといった特徴があります。
そのため、投資に費やす時間を減らし、そのぶん仕事や家事に向けられる投資信託は、まさにほったらかし投資に向いているしょう。
3.ほったらかし投資向けの商品について
さて、ここではほったらかし投資向けの商品をいくつか取り上げてみました。
さっそく見ていきましょう。
つみたてNISA
つみたてNISAは、ほったらかし投資の王道ともいえる投資商品です。
つみたてNISAとは「少額投資非課税制度」のことで、最長20年間にわたって非課税で資産を運用できます。
年間投資上限額は年間40万円までと決まっているものの、最大で800万円まで投資に資金を拠出できることは魅力的です。
また、つみたてNISAで取り扱っている商品はいずれも一定の条件を満たす投資信託などであり、投資初心者であっても銘柄選定がしやすいといったメリットもあります。
つみたてNISAとよく比較されるものに「一般NISA」が挙げられますが、投資可能期間や選択銘柄の信用度などを勘案すると、つみたてNISAのほうがほったらかし投資には適しています。
つみたてNISAについては以下の記事で詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
iDeCo
iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、自分で設定した掛け金を拠出し、自分で運用を行います。
iDeCoでは毎月一定額を積み立てていくことになり、金額は最低5,000円から1,000円単位で積み立て可能です。
毎月の積立金額の上限は職業や立場によって異なるため、始める前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
また、iDeCoには税制優遇制度があり、掛け金が全額所得控除になることに加え、受取時にも税金の優遇があります。
つみたてNISAと同じく運用益に課税されません。
注意点として、iDeCoは老後の資産形成を目的としていることから原則60歳になるまで引き出すことができない、口座の管理・運営に対して手数料がかかるといったことが挙げられます。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは、AI(人工知能)が投資に関するアドバイスやポートフォリオの提案をしたり、投資家の代わりに投資を行ったりしてくれるサービスのことです。
このうち、投資に関するアドバイスを提供してくれるものを「アドバイス型(助言型)」、投資そのものを投資家に代わってしてくれるものを「投資一任型(運用型)」などと呼んでいます。
ほったらかし投資をする場合は「投資一任型」のロボアドバイザーを選択することとなり、投資先の選定はもちろん、資産を元の配分比率になるように調整する「リバランス」なども任せられます。
また、多くのロボアドバイザーではリスク許容レベルを自身で設定することから、AIが想定以上の資金を使ってしまうこともありません。
一方、ロボアドバイザーに、つみたてNISAやiDeCoのような税制優遇制度はないため、ご注意くださいはありません。
4.金融商品購入前の確認ポイント
投資信託はほったらかし投資に向いている金融商品ではあるものの、いくつか確認しておきたいことがあります。
とくに「手数料」と「分配金および再投資」についてはしっかりと把握しておくようにしましょう。
手数料
投資信託は投資家に代わってプロのファンドマネージャーが対象金融商品の調査、判断、実際の投資(運用)を行います。
そのため、場面別に以下の3種類の手数料を支払わなければなりません。
- 販売手数料:投資信託の購入時にかかる手数料
- 信託報酬:投資信託を保有している限り生じる手数料
- 信託財産留保額:投資信託解約時にかかる手数料
「ノーロード」と呼ばれる販売手数料が無料の商品の充実などにより、昨今では「信託報酬」しかかからない金融商品も増えていますが、信託報酬の手数料は低い場合で0.5%、高いと3%ほどと幅があるため、前もってきちんと確認しておきましょう。
信託報酬は他の2つの手数料と異なり、投資信託を保有している間は継続的に支払い続けるため、手数料が高いものは保有期間が長くなるほど割高に感じてしまう恐れがあります。
また、各手数料は投資信託の種類や販売会社によって異なるため、その点についても比較検討をすることが大切です。
そのため、投資信託の購入時には各金融機関で提供されている販売用の資料をはじめ、目論見書で手数料の詳細を確認するようにしてください。
分配金および再投資
投資信託の保有期間中に生じた運用益については、そのまま分配金として受け取る「分配金あり」と受け取らずにそのまま投資に回す「分配金なし」の2パターンがあります。
一見「分配金あり」の方がいいのではないかと考えがちですが、分配金を受け取る際にはそのつど手数料が生じるため注意が必要です。
長期的な視野で投資をしようと考えている場合、「複利効果」が得られる「分配金なし」を選択するのをおすすめします。
純資産総額・運用実績
投資信託の人気や期待値の高さを見る際、「純資産総額」といった値が参考となります。
運用成果がよければ購入希望者が増え、お金も集まります。
十分な資金があれば、それだけファンドマネージャーが投資の幅を広げやすくなり、より可能性を秘めた投資信託となるでしょう。
とはいえ、莫大な資金が集まり過ぎると細かな気配りができなくなり、かえって運用結果が悪くなってしまった例も過去には見受けられました。
一概に「純資産総額」が多いからおすすめとはいえませんが、これまでの運用実績などとあわせて一度検討してみるとよいでしょう。
ただし、過去の運用実績が良いからといって、将来の成果も良い結果になるとは限らないため注意が必要です。
5.迷ったらバランス型がおすすめ
投資初心者が投資信託を購入する際、投資先に悩んでしまうケースも少なくありません。
投資先に悩んだときは「バランス型」の投資信託がおすすめです。
バランス型の投資信託はあらかじめポートフォリオが組まれた商品であり、1本購入するだけで複数の投資信託を組み合わせて購入したような効果が期待できます。
また、リバランスも自動でしてくれるため初心者向きといえるでしょう。
投資の手間を減らせることに加え、長期的な投資に向いているバランス型ですが、一方でデメリットも存在します。
具体的にはバランス型の信託報酬は「インデックス型」の投資信託に比べて少々割高になるといった点が挙げられます。
バランス型を購入する際は信託報酬をよく確認するように心がけるとよいでしょう。
6.投資初心者はまずほったらかし投資から始めてみよう
今回はほったらかし投資の概要や注意点についてお伝えしました。
ほったらかし投資は高度な知識が必要ないことに加え、手間や時間もかからないことから投資初心者のみならず、本業が忙しいサラリーマンや主婦の方にもおすすめです。
基本的な知識を理解したうえで、ぜひほったらかし投資に挑戦してみてはいかがでしょうか。