貯蓄が増えない理由は収入ではない!増えない習慣を増やす習慣に変える方法3つ

 

この記事の目次

「贅沢をしているつもりはないのに、なぜか貯蓄が増えない」

こんな人は、なんとなくしている習慣を変えるだけで貯蓄が貯まりやすくなります

実は貯蓄が増えない・貯まらない原因は収入ではありません。

たとえ年収1,000万円以上の人でも、増えない習慣をしていれば貯蓄はできないでしょう。

この記事では「増えない習慣」を「増える習慣」に見直し、貯蓄を増やす方法をご案内します。

「なぜだか貯まらない・増えない」人は、この記事で今までの習慣を見直してみてください。

貯蓄が増えないことと収入は関係ない

「貯蓄が増えないのは、収入が低いから」そう思うかもしれません。

たしかに、収入と金融資産額は比例しているという調査結果もあります。

金融広報中央委員会の金融資産調査でも、年収が増えるにつれて平均的な金融資産額も増えていました。

しかし年収と金融資産額が比例しているのは、あくまで平均像の話

調査結果の中には、年収1,000万円以上でありながら金融資産を一切保有していない世帯が約10%いました。

一方で、年収300万円未満でも100万円以上の金融資産を保有している世帯は約60%※でした。

出典:「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)」

結局、年収が高くても貯蓄できない人もいれば、年収が低くても貯蓄できる人はいるのです。

「収入が低いから何をしても無駄」と思っていては、貯められる物も貯まりません。

まずは収入以外で貯蓄が増えない理由を探り、自身の家庭でできることがないかを考えてみましょう。

貯蓄が増えない理由は「お金をなんとなく使う習慣」にある

収入面以外で貯蓄が増えない理由は、毎日なんとなくお金を使ってしまっている習慣にあります。

・なんとなくコンビニに行き、なんとなく飲み物やお菓子を買っている

・ネットショッピング中に「おすすめ」と出てきた商品が良さそうだったので、なんとなく購入

・月末にお金が余っていると、なんとなく使ってしまう

こうした「なんとなく」の習慣がありませんか?

なんとなくの習慣は記憶に残りにくく、お金を使っている感覚を抱きにくいものです。

しかし、一つ一つの出費は少なくても「なんとなくの出費」が積もれば大きな出費になります。

このままでは、いつまでたっても貯蓄が増えません。

「何に使っているかわからないけれど、お金が増えない」という人は、自身の消費行動を確認してみるといいでしょう。

家計簿アプリを使って、1ヶ月の支出を記録してみてください。

支出を見返したとき、「こんな物、買ったかな?」と思う買い物が多い人は、なんとなく浪費する癖がついている可能性があります。

なんとなくの浪費をやめ、本当にほしい物・必要な物を買うだけでも、支出削減効果はあるはずです。

貯蓄を増やすための「なんとなく貯まる習慣」3つを紹介

なんとなくの浪費を辞めたら、今度は逆の発想で「なんとなく貯まる習慣」を身につけます。

なんとなく貯まる習慣は以下の3つです。

1.なんとなく貯める「先取り貯蓄」を利用する

2.お金を使うときのルールを決めておく

3.節約するときは固定費の見直しから行う

日常の環境を変えて自動的に貯まる仕組みを作ってしまえば、特別な意識もストレスもなく貯蓄を増やせます。

それぞれ、具体的に解説していきましょう。

1.なんとなく貯める「先取り貯蓄」

給与や手当などの定期収入が入る日に、一定額を貯蓄に回す「先取り貯蓄」の仕組みを作りましょう。

以下の先取り貯蓄制度を給与日と同日に設定し、残額で生活するようにすれば、強制的に貯蓄を貯められます。

<先取り貯蓄に使える制度>

・(会社員のみ)勤務先の財形貯蓄制度

・(会社員のみ)勤務先の社内預金

・銀行・郵便局の定期積立定期預金(貯金)

いずれも元本保証があり、途中で資金を引き出すことも可能です。

勤務先で財形貯蓄制度や社内預金といった社内制度がある場合は、優先的に利用しましょう。

社内制度は社内の担当者を通じて手続きするため、銀行・郵便局の定期預金より資金を引き出す際の心理的ハードルが高いです。

それでも、「途中で使ってしまいそう」という人は、簡単に資金を引き出せない仕組みを利用することも検討しましょう。

簡単に資金を引き出せない仕組みのおすすめは、以下の2つです。

・終身保険や個人年金保険、学資保険といった「貯蓄型の保険」

・老後資金を貯めるための「個人型確定拠出年金(iDeCo)」

貯蓄型保険は保険「契約」であるため、毎月(あるいは半年や年に1度)一定額の保険料積み立てをしなければなりません。

さらに、一般的な貯蓄型保険は契約してすぐに解約すると、元本割れするものがほとんどです。

つまり、貯蓄型保険は「長く続けなければ不利になる」もの。

この特性を活かせば、貯めてもすぐに使ってしまう人でも強制的に貯蓄できる環境を作れるのではないでしょうか。

一方のiDeCoは、老後資金のために活用する私的年金制度です。

一度加入したらよほどの理由がない限り、60歳まで資金を引き出せません。

「ちょっと使いたいな」というレベルでの資金引き出しは認められていないため、何がなんでも老後資金の貯蓄を貯めたい・増やしたい人に最適です。

2.お金を使うときのルールを決めておく

お金を使うときのルールを決め「なんとなくの衝動買い」や「小さな浪費癖」をなくすことも大切です。

記憶にも残らないようなお金の使い方をしている人は、そもそもお金を使う際のマイルールを持っていないのではないでしょうか。

マイルールがなければ、いつまでたっても「なんとなくお金を無駄に遣う癖」をやめることはできません。

手元のお金は、あなたや家族が働いて得た大切な報酬です。

せっかくのお金を無駄にしないためにも、本当に必要なこと・物だけにお金を使うマイルールを設定することをおすすめします。

マイルールを設定する際の具体例は、以下のとおりです。

<お金を使うときのマイルール 具体例>

・欲しい物があってもその日に買わず、いったん寝かせて欲しい気持ちをクールダウンする

・買い物を「消費」「浪費」「投資」に分け「これは消費?浪費?」と考える癖をつける

・どうしても必要な物はフリマサイトやオークションなどできる限り安く手に入れる方法を探す

・洋服や小物など「必要ではないけど欲しくなるもの」は衝動買いせず、3ヶ月に1回など買い物するタイミングや予算を決めておく

・「安いから買う」のではなく「必要だから買う」のマインドに切り替える

上記はあくまで具体例です。

お金のルールに画一的な正解はありません。

自身が取り組みやすいものから取り入れ、無理のないルールを決めてください。

3.節約するときは固定費の見直しから行う

どうしても節約が必要なときは、変動費ではなく固定費から行いましょう。

・変動費とは

日々の暮らし・行動によって毎月金額が変動する支出を指す。食費、水道光熱費、日用品、ガソリン代など

・固定費とは

毎月金額が固定で変動しない支出を指す。家賃・住宅ローン、水道光熱費の基本料金部分、通信費の基本料金部分、保険料、新聞代など

変動費の節約をおすすめしない理由は、日常の行動に紐付いた支出だからです。

特に食費は、その月に誕生日や記念日などのイベントがあったり、仕事が忙しく惣菜の購入が続いたりしたらすぐに支出となって反映します。

またスーパーで買う食材の値段も季節によって変動します。

これだけ変動要素が大きい支出を、仕事や家事・育児をしている中で一定に保つのは無理があるのではないでしょうか。

その点、固定費は日常の行動に紐付かない支出です。

元々の契約プランを見直せば、節約効果は永続的に続くでしょう。

日々の行動で無理に節約を意識することなく節約ができるため、貯蓄が苦手な人でも気軽に取り組めるのではないでしょうか。

特に貯蓄が増えない・貯まらない人におすすめしたい固定費の節約は以下の4つです。

・住居費の節約(家賃・住宅ローンの見直し)

・スマホの契約プラン

・事業者を見直す

・ネットの固定回線の契約プラン・供給会社を見直す

・電気

・都市ガスの契約プラン

・供給会社を見直す

住居費の節約はハードルが高いものの、実は一番節約効果が高い方法です。

すでに住宅ローンを組んでいる人でも、金利が低いプランに借り換えできれば毎月の返済額を減らせる可能性があります。

支出が多くなかなか貯蓄できないという人は検討してみるのもいいでしょう。

次におすすめなのは、スマホの契約プランや事業者を見直す方法です。

毎月のスマホ料金はデータ料金プランが比較的安い格安SIM提供事業者への切り替えで大幅に節約できる可能性があります。

自身のライフスタイルにあう契約プラン・供給会社を見つけることができれば、数千円程度の節約につなげることも難しくないでしょう。

まとめ

貯蓄が増えない理由は、毎日なんとなくしている習慣が原因であることが多いです。

「使っているつもりはないのに、お金が貯まらない・増えない」という人は、一度自身の消費行動を振り返ってみてください。

キャッシュレス決済アプリやクレジットカードを家計簿アプリに連動して、収支の状況を可視化してみましょう。

一つ一つは小さな出費でも、つもり積もって大きな出費になっていることがわかると思います。

自身の貯まらない習慣を確認したら、次は強制的に貯まる習慣を作ります。

「貯まる習慣」といっても特別な行動をしたり、大きく節制したりする必要はありません。具体的な方法は以下の3つです。

1.銀行や社内制度を利用した「先取り貯蓄」を給与日に設定する

2.お金を使う際のマイルールを決める

3.節約するときは変動費ではなく固定費の見直しから行う

特に重要なのが、給与日に一定額貯蓄をして、残りの金額だけで生活する環境を作り出す「先取り貯蓄」です。

先取り貯蓄になれてしまえば、特別貯蓄を意識しなくても貯蓄を増やせるようになるでしょう。

貯まらない人が貯めるために大切なのは心意気ではなく、習慣そのもの見直しです。

貯蓄で悩んでいる人は、ぜひ試してみてください。


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