利回りだけの比較はNG!資産運用の比較ポイントと初心者向きの運用方法7選

 

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資産運用の比較で「ついつい利回りばかりを見てしまう」人は、多いのではないでしょうか。

しかし資産運用選びで大切なのは、利回りだけではありません。

今回は、資産運用を始める際に比較すべきポイントを案内します。

初心者向けにおすすめの資産運用方法も7つ紹介していきますので、「自分にあった運用方法を見つけたい人」は、参考にしてください。

1.資産運用の比較で初心者が見るべきポイントは5つ

ひと口に「資産運用」といっても、元本保証型の銀行預金からハイリスク・ハイリターンの仮想通貨まで、さまざまな種類があります。

数ある運用方法を比較するときは、何をどう見ればいいのでしょうか。

重要な比較ポイントは、以下の5つです。

  • リスクとリターン(利回り)
  • 利益の種類
  • 運用にかかる手数料
  • 運用期間
  • 初期投資額

それぞれ見ていきましょう。

1-1.リスクとリターン(利回り)

資産運用において、投資元本に対する収益の割合をリターン、そして収益と損失の変動幅をリスクと言います。

リスク

「資産がどれだけ増え、どれだけ減るのか」という、資産価値の振れ幅を指す

リターン(利回り)

「資産運用で得られる収益そのもの」あるいは「収益の割合」を指す

つまりリスクとリターンは、資産運用によって生じる収益と損失の可能性です。

二つの関係は比例しているため、大きなリターンを期待して運用をすれば、損失を被るリスクも高くなります。

初心者が運用方法を選ぶとき、ついついリターン(利回り)を先に見てしまう人は多いと思います。

しかし資産運用において、先に考えるべきはリターンではなくリスクです。

自分はいくらの損失までなら耐えられるのか」というリスク許容度を元に、自身に適した運用方法を選びましょう。

1-2.利益が出る仕組み・種類

資産運用で得られる利益には、以下2つの種類があります。

キャピタルゲイン

運用資産の価値が「値上がり」したときに発生する売却益・値上がり益を指す。比較的大きな利益を得たい人に向いている

(例)株式や不動産の売却益

インカムゲイン

運用資産の「保有」によって発生する配当・利息収益を指す。定期的に安定した利益を得たい人に向いている

(例)株式の配当金、不動産の賃貸収入

両方を得られる運用方法もあれば、キャピタルゲインだけ・あるいはインカムゲインだけの運用方法もあります。どちらの利益を求めているのか、目的にあわせて適した運用方法を選びましょう。

1-3.運用に必要な手数料

資産運用の対象となる金融商品によっては、手数料が発生することがあります。

手数料がいつ・どのようなタイミングでいくら発生するのかは、運用商品や運用を行う会社などによって異なります。

例えば株式投資なら、株の「売買時」に売買手数料が必要です。個人向け国債にはこうした売買手数料はかかりませんが、運用状況によっては口座管理手数料がかかります。

こうした手数料の有無や金額は、利益に大きな影響を及ぼします。

比較の際は必ず手数料体系を確認し、手数料を差し引いた目標リターンを設定するようにしましょう。

1-4.運用にかかる時間(運用期間)

資産運用にかかる時間、すなわち必要な運用期間は運用の方法によって異なります。

運用対象の資産をどのように使いたいのか、自身の運用目的にあわせた方法を選びましょう。

例えば現在30代で老後資金を作る目的なら、30年は運用できる時間があることになります。

30年も運用期間を取れるのであれば、長期でじっくりと資産を育てる方法を選び、リスクを抑えることが可能です。

運用する資金をいつ、何に使いたいのか。

目的によって運用期間は変わってくるので、「取れる運用期間にあわせた方法」を選択しましょう。

1-5.運用に必要な金額(初期投資額)

資産運用の方法によって、必要となる金額は違います。

例えば不動産など現物資産を運用すると、初期投資額として数百万円、あわせてローンを組むのが一般的です。

一方で投資信託では、100円から少額で積み立てられるファンドが多数販売されています。

このように、運用対象となる投資商品によって資金のかかり方は変わってきます。

ある程度まとまった資金を運用したいのか、毎月少額でコツコツ始めたいのか。自身の余裕資金の範囲で行える運用方法を選びましょう。

2.【初心者向け】資産運用方法7種類を比較

ここでは、投資初心者でも始めやすい資産運用方法を紹介していきます。

おすすめのポイントは、以下の3点です。

  • リスクを抑えやすい
  • 手軽に運用できる
  • 初期投資額は少額ですむ

それぞれ比較しながら見ていきましょう。

2-1.定期預金

一定期間だけ銀行にお金を預ける、元本保証型の運用方法が定期預金です。

リスク・リターン(利回り) ローリスク・ローリターン(元本保証あり※)
利益の種類 インカムゲインとして預金利息を得られる
運用の手数料 原則として、手数料は不要
運用期間 1か月~10年程度の範囲で、自身で預金期間を設定できる。
初期投資額の目安 1円~1,000円程度

定期預金の平均利率は、年0.003%※です。つまり100万円を1年間預けても30円ほどの利息にしかなりません。よってリターン重視の運用はできませんが、万一の際の生活防衛資金など、「絶対に必要な資金」の用意に適しています。

※金融機関が破綻した場合は、預金保険制度により1金融機関ごとに合算して、預金者1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護される。

※平均利率の出典:「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について」より「定期預金の預入期間別平均金利」(日本銀行)

2-2.個人向け国債

国が発行する国債を購入し、一定期間運用する方法です。

リスク・リターン(利回り) ローリスク・ローリターン(元本保証なし※)
利益の種類 インカムゲインとして利子を得られる
運用の手数料 口座管理手数料がかかることもある
運用期間 3年・5年・10年から選べる
初期投資額の目安 1万円

※個人向け国債には年0.05%の最低金利が付いていて、満期日の元本は日本国が責任を持っています。

ただし、個人向け国債は預金とは異なり元本の保証はありません。

償還時や中途換金時に、発行体である日本国の信用状況等の悪化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、預金保険制度ならびに投資者保護基金の対象ではありません。

運用期間は決まっていますが、発行から1年を経過すれば途中で換金することも可能です。

国の信用力による商品ですから、元本の保全性が高く、定期預金よりも高めの利回りで、手堅く運用したい人に向いているでしょう。

2-3.貯蓄性のある保険

学資保険や解約返戻金のある生命保険など、貯蓄性のある保険を活用する方法です。

契約して一定期間経過すれば、支払った保険料以上の解約返戻金や満期金を得られる商品を運用します。

リスク・リターン(利回り) ローリスク・ローリターン(元本保証なし※)
利益の種類 インカムゲインとして配当金を得られる場合もあるが、メインは解約時の解約返戻金(キャピタルゲイン)
運用の手数料 加入者が直接支払う手数料はないが、保険料の一部は保険運営の手数料に充てられているため、間接的な手数料はあると言える
運用期間 元本以上の利回りを得るには最低でも10年~15年程度の支払い期間を要する保険が一般的
初期投資額の目安 数千円~数万円 ※加入者の年齢や商品によって大きく変わる

他の金融商品と異なり、貯蓄型の保険はあくまで「万一の保障」を長期で備えるという商品性が基本にあります。

資産運用目的の場合は、だいたい10年以上の加入期間が必要です。そのため短期間で手軽に運用したいという人、万一の保障は不要という人には不向きでしょう。

家族や自身にとって必要な保障を備えるという目的のもと、資産運用に活用するのがおすすめです。

※契約後一定期間がたてば元本割れしにくい商品設計のものが多いため、「長期運用すれば元本の保全性が高い」と言える。

2-4.投資信託・ETF

投資信託とETF(上場投資信託)は、運用会社に資産運用を任せるタイプの金融商品です。

運用会社が組成したファンドを通じて、ファンド内の株式や債券に分散投資できるようになっています。

リスク・リターン(利回り) ミドルリスク・ミドルリターン(元本保証なし)
利益の種類 ファンドの売却益であるキャピタルゲインを得られる。
ファンドによっては、インカムゲインとして分配金を得られるものもある
運用の手数料 売買時・保有時に一定の手数料がかかる
※売買時の手数料がないファンドもある
運用期間 運用期間は自由だが、資産を増やすには数年~10年以上の運用が向いている
初期投資額の目安 100円~1万円程度

投資信託のファンドに含まれる株式や債券の選定と運用は、運用会社が行います。つまり投資家は、ファンドを購入するだけでプロの資産運用成果を享受できるのです。

ミドルリスク・ミドルリターンなので、リスクをとりつつ預金や国債よりも高めのリターンを希望する人に向いています。

2-5.ロボ・アドバイザー

ロボット(AI)に資産運用のすべてを一任するロボ・アドバイザーサービスを利用し、資産運用する方法です。サービスによって異なりますが、投資対象資産はETFであることが多くなっています。

リスク・リターン(利回り) ミドルリスク・ミドルリターン(元本保証なし)
利益の種類 キャピタルゲインとして、投資対象資産の売却益を得られる
インカムゲインとして分配金を得られるものもある。
運用の手数料 運用中に一定の手数料がかかる
運用期間 運用期間は自由だが、資産を増やすには数年~10年以上の運用が向いている
初期投資額の目安 1万円程度

ロボ・アドバイザーサービスの特徴は、最初にいくつかの質問に答えるだけで運用のすべてをロボットに任せられる手軽さです。運用にかける時間や手間を極力省き、リスクを取りつつある程度リターンを希望する人に向いています。

2-6.投資型クラウドファンディング・ソーシャルレンディング

特定のファンドへの投資により、おもにインカムゲインを得る運用方法です。

リスク・リターン(利回り) ミドルリスク・ミドルリターン(元本保証なし)
利益の種類 インカムゲインとして分配金を得られる
運用の手数料 申込時に投資家が直接支払う手数料はないものが多いが、投資金額の一部は運用の手数料に充てられているため、間接的な手数料はあると言える
運用期間 3か月~3年程度※原則として途中解約は不可
初期投資額の目安 1万円~数十万円程度

※上記はおもに組合出資型のクラウドファンディングについて述べているため、株式投資型クラウドファンディングとは特徴が異なる

※投資型クラウドファンディングの一種がソーシャルレンディングとなる

いずれも運用期間が比較的短く、投資資金に対するインカムゲインをメインとする点が大きな特徴です。

投資信託やロボ・アドバイザーと同程度の利回りを設定しているファンドが多く、短期でインカムゲイン目的の運用をしたい人に向いています。

2-7.太陽光発電ファンド投資

太陽光発電事業を行うファンドへの投資により、おもにインカムゲインを得る運用方法です。

リスク・リターン(利回り) ミドルリスク・ミドルリターン(元本保証なし)
利益の種類 インカムゲインとして分配金を得られる
運用の手数料 購入時に手数料がかかり、運用期間中も投資金額の一部は運用の手数料に充てられているため、間接的な手数料はあると言える
運用期間 10年~20年程度
初期投資額の目安 数十万円程度

個人ではなかなか難しい太陽光発電投資を、比較的少ない自己資金で運用できるのが太陽光発電ファンドの特徴です。発電した電気は国が定める価格で20年間買い取ってもらえる固定価格制度(FIT制度)があるため、安定した収益が期待できます。

これまでご紹介してきた運用方法と比べて初期投資額はやや高くなるものの、まとまった運用資金があり、安定したインカムゲインを希望する人に向いています。

3.資産運用の目的にあわせて重視するポイントを変えよう

資産運用の目的によって、重視すべきポイントは変わります。

例えば子どもの教育費は、高校や大学入学時など必要な時期が明確です。

子どもが生まれてすぐに運用を始めても、15年~18年後には資金を取り崩す必要が出てきます。

もし資金を取り崩す際に運用資産に含み損が発生していると、せっかく運用してきた資金を思うように使えません。

よって、教育費のように必要なタイミングが決まっている資金は、運用期間とリスクを重視した運用が重要になってきます。

  • 運用資金をどのように、いつ使いたいのか(何年くらいでどれくらいの資金額を取り崩したいのか)
  • 選択した運用方法において、リスクが安定してくる運用期間は何年くらいか

上記2つをよく確認したうえで、適切な運用方法を選択してください。

4.まとめ

資産運用の方法によって、必要な運用期間や初期投資額は違います。

また同じ資産運用方法・金融商品であっても、提供する会社によって商品性や仕組みはさまざまです。

どんな方法が合うのか、向き・不向きは人それぞれなので、自身の目的や資金の状況に適した運用方法を選択してください。


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