始める前に抑えておきたい不動産投資のデメリットとその対策とは
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着実に運用することで安定した収入源となりやすい不動産投資は、コロナによって今後の収入面に不安を覚えた方も多く、注目を集めています。
インフレリスクにも強く、メリットの多い不動産投資ですが、そこには当然デメリットも存在することを忘れてはいけません。
今回の記事ではデメリットや注意点を中心に、不動産投資を始める前に押さえてほしいポイントについてまとめてみました。
1.そもそも不動産投資とは
不動産投資とは、不動産を購入し、それらを利用者に貸し出すことによって賃料収入を得ることを指します。
「不動産」といっても不動産投資における投資対象は幅広く、居住用の賃貸物件からオフィス用まであるほか、新築か中古か、ワンルームか一棟かなどに分けられるでしょう。
日本において個人が行う不動産投資では、居住用の賃貸物件をターゲットにしたものがほとんどです。
それらは主に「ワンルーム投資」と「一棟買い投資」といった2種類に大別されます。
2.ワンルーム投資と一棟買い投資の違い
ワンルーム投資では分譲マンションの1室を購入して貸し出すのに対し、一棟買い投資は集合住宅や戸建て住宅を丸ごと購入し、貸し出します。
これらの大きな違いは投資金額にあり、一棟買い投資ではワンルーム投資に比べて購入代金はもちろん、維持費の負担も大きくなるでしょう。
しかし、一棟買いでは物件そのものを担保にできることから借入時の負担が抑えられることに加え、得られる家賃も多くなります。
とはいえ、空室状態が続いてしまった場合には不動産の維持費や借入金額が大きいため、すぐに返済が滞って破綻してしまうリスクがあります。
ワンルーム投資であれば、得られる利益は一棟買いより少なくなりますが、失敗した際の損失は一棟買いより少なく済むでしょう。
3.コロナ禍における不動産投資市場
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない現在、その影響は少なからず不動産投資市場にも及んでいます。
今現在の不動産投資市場と不動産投資家の変化について簡単に見ていきましょう。
居住用不動産に限った話をすれば、リモートワークの普及で在宅率が上がったことにより、これまで以上に住みやすさをはじめとした快適性を重視する傾向が強まっています。
投資スタイルについてはコロナ前と変わらず「利回り重視」が人気である一方「できる限りリスクを抑えて着実に運用したい」といった声も増えつつあります。
リスクを抑えるためにも不動産投資のメリットだけでなくデメリットついても理解したうえで、投資を始めるかどうか判断するようにしてください。

4.不動産投資のデメリットについて
ここでは不動産投資の主なデメリットを3つご紹介します。
4-1.長期間空室が続くと収益を確保できない
不動産投資のリスクの中でも代表的なのが「空室リスク」です。
購入当初見込んでいた家賃が思うように手に入らなければ、収入が減ってしまうのはもちろんのこと、住宅ローンを借り入れている場合には返済が滞ってしまう恐れがあります。
空室リスクを完全にゼロにすることはできませんが、少しでも損失を減らすために対策を講じておくことが大切です。
具体的には、適正な家賃設定であるかの確認や日々の清掃業務や設備管理などのメンテナンスなどをしっかりと行い、住みやすい空間を維持しましょう。
また、どんなに物件が優れていたとしても、賃貸仲介会社や賃貸管理会社が機能していなければ入居希望者が集まりません。
目先のサービス内容だけにとらわれず、しっかりと信頼のおける不動産会社を選ぶことも大切です。
4-2.流動性が低い
不動産はそれ自体が大きな買い物であることから、売却したくともよほどの人気物件でなければそう簡単に買い手がつかないといったデメリットがあります。
株やFX、投資信託などは取引市場があるため、売ろうと思った時にすぐ売却が可能です。
対する不動産は間に入ってくれる取引市場がなく、売り手が買い手を見つけなければ売れない「相対取引」になります。
これを不動産の「流動性リスク」ともいい、空室リスクと並んで注意しなければならないでしょう。
もちろん、不動産の価格を相場よりも安く設定することで買い手が見つかりやすくなるかもしれませんが、その分損失を被る可能性があります。
4-3.建物の老朽化に伴い修繕費用がかかる
どんな不動産でも、経年変化によってある程度の老朽化が生じます。
老朽化した建物をそのまま放置してしまうと、気づいた時には修繕費用が大きな額になってしまうほか、入居者が思うように入らず空室リスクを高めてしまうでしょう。
そのため、不動産購入時には経年変化のことを念頭に置いたうえで、計画的に修繕費の積み立てをしておくことが大切です。
また外壁塗装の塗り替えや防水工事など、規模の大きい修繕はそれなりの日数が必要になるため、修繕計画を立てるときは注意してください。
5.不動産投資のメリットとは
不動産投資のデメリットをいくつかご紹介しましたが、もちろんメリットも存在します。
ここでは主なメリットを3つ取り上げてみました。
5-1.死亡保険の代わりになる
不動産投資用物件の購入時に投資用ローンを利用しようと考えている場合、団体信用生命保険(団信)に加入することがほとんどです。
団信とは、万が一ローンの残債がある状態で契約者が亡くなってしまった場合、団信の保険金でローンの残債が完済される保険のことを指します。
投資用ローンを返済する必要がなくなることから、残された家族や親族に負担がかかることはありません。
そのため、団信は死亡保険の代わりになるといえるでしょう。
5-2.安定した収入源となり得る
部屋を借りようと思った際、一般的には年単位で借りるケースがほとんどです。
そのため、一度入居者が決まれば長期的に収入を得られる可能性が高くなります。
また、購入時に設定した賃料が大きく下がることはあまりなく、比較的安定した収入を得やすいことに加え、どのぐらい手元に入るのかといった計算もしやすいでしょう。
冒頭で少し触れましたが、本業に+αで収入が欲しいと考えている人は不動産投資を検討してみるのもよいかもしれません。
5-3.インフレに強い
インフレによって「モノ」の価値が上がることから、現物資産である不動産はインフレに強いといえます。
また、物件価格や賃料はインフレに連動するため、インフレの状況下においても資産価値が大幅に下がることはありません。
インフレ後も比較的安定してキャピタルゲインを得ることが可能です。
インフレ対策としての不動産投資は以下の記事で詳しく述べているため、良ければ参考にしてください。

6.不動産投資を始める前に気を付けたいポイント
不動産投資を始める前に気を付けたい主なポイントを2つ取り上げてみました。
6-1.表面利回りではなく実質利回りで考える
投資用不動産の購入を検討しているときに、ポータルサイトなどで「この物件の利回りは〇%です」といった文言を見かけることも多いですよね。
しかし、その数値は投資用不動産が満室時の想定賃料収入のみで算出した数字である(=表面利回り)可能性が高く、不動産管理維持費などを考慮していないため注意しましょう。
実際には全部屋が常に満室といったことはあまりなく、一度退去すれば数カ月は入居者が決まらないことも珍しくありません。
そのため、記載の表面利回りに惑わされないように気を付け、実質利回りなども加味したうえで投資用不動産を検討することをおすすめします。
「実質利回り」とは表面利回りから経費を引いたもので、以下の計算式によって算出可能です。
(1年間の家賃収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100
6-2.出口戦略を明確にしておく
不動産投資における出口戦略とは「いかに物件を高く売却するか」を指します。
不動産投資を始めるにあたって、購入前に出口戦略をしっかり考えておくことは極めて重要です。
出口戦略で失敗してしまうと、それまでに得た家賃収入などの利益(インカムゲイン)をすべて失う恐れがあります。
そのため、購入時から将来的に不動産を売却したときのことを意識して投資を始めるようにしましょう。
個人が主にターゲットとする居住用不動産に限って言えば、主な出口戦略として以下の3通りがあります。
- 収益物件のまま売却する
- 更地にして売却する
- 自己居住用として売却する
物件の種類や状況によって適した方法は異なりますが、最終的にどうしたいのかを前もって決めておくことで、そこに至るまでの収支計画も立てやすくなるでしょう。
7.まとめ
不動産投資を成功させるためには、メリットとデメリットをきちんと理解しておくことはもちろん、出口戦略や損切りのラインを明確にしておくことが不可欠です。
また、不動産投資市場ではコロナの影響もあり、今まで以上に日々変化が起きているため、それらの動向について定期的に把握しておくことをおすすめします。
不動産投資のみならず、どの投資に対してもいえることですが、いっときの感情で安易な投資判断を下さないように注意しましょう。