不動産投資は賃貸需要の高い物件を見極められるかどうかで成功が決まる
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不動産投資では、どんなにいい物件であっても、賃貸需要がなければ賃貸収入を得ることはできません。
そのため、賃貸需要の高いエリアを見極めたうえで投資用物件を購入することが極めて重要であり、投資の成功を左右します。
そこで今回の記事では、賃貸需要が高いエリアの見極め方・調べ方に加え、賃貸経営で収益性を確保するためのコツについてまとめてみました。
1.賃貸需要が高いエリアとは
不動産投資においてエリア選定は非常に重要であり、エリア選定によって投資結果が左右されるといっても過言ではありません。
ここでは賃貸需要のある地域を見つける際に欠かせないポイントを4つ、ご紹介します。
周囲の生活基盤は充実しているか
投資用に賃貸物件を購入する際、周囲にスーパーや銀行、病院や郵便局といった施設が揃っているかどうか確認しましょう。
その物件を借りた入居者が「不自由を感じることなく生活できるかどうか」が最重要となります。
ファミリータイプの物件に目をつけているのであれば、上記の施設に加えて保育園や幼稚園、小中学校といった施設があるかどうかについても確認が必要でしょう。
また、上下道は開通しているか、下水管は近隣まで伸びているか(ない場合は浄水槽で処理されているか)といった設備面についても、併せて確認しておくことをおすすめします。
利便性が高い場所であるか
東京や大阪の中心部の場合、駅から徒歩で少なくとも10分以内、バス停であれば徒歩5分以内の賃貸物件は需要が高い傾向にあります。
郊外や地方都市の場合には駅から2km以内をひとつの基準として考えると良いでしょう。
駅から2kmの距離であれば、自転車で比較的移動しやすい距離であり、歩こうと思えば歩ける距離です。
2kmを上回ってくるとバスなどの移動手段を使わなければ苦しい距離になるため、通学や通勤で毎日駅に向かう必要がある人にとって大きなストレスになる恐れがあります。
周囲に賃貸物件が複数存在するか
近くにマンションやアパートといった賃貸物件があるかどうかも、賃貸需要を判断するうえで欠かせない要素です。
賃貸需要がないところに投資物件を購入しても空室リスクに悩まされ、思うような客付けができないでしょう。
そのため、近くにマンションやアパートがあるかどうか確認することはもちろん、それらの入居率についてもあわせて確認しておくことをおすすめします。
災害リスクが少ないか
近年なにかと増えている地震や水害といった自然災害による被害を想定し、あらかじめハザードマップに目を通しておくようにしましょう。
ハザードマップは「○○市 ハザードマップ」と検索すればすぐに確認できます。
投資を検討しているエリアが災害危険エリアに該当していないかチェックしておいてください。
2.コロナ禍における賃貸需要
昨年から続く新型コロナウイルスによる問題は賃貸需要にも影響を及ぼしています。
これまでなかなか浸透してこなかったテレワークや在宅勤務といった働き方が受け入れられるようになってきたほか、大学生を中心としてオンライン授業も積極的に行われるようになりました。
そうした状況を踏まえ、コロナ禍で増えてきた賃貸需要は以下の3つです。
- 防音性能が高いかどうか
- 一人になれる空間があるかどうか
- 快適なネット環境が整備されているかどうか
この中でも特にネット環境は重視される傾向にあります。
テレワークはもちろんのこと、動画視聴やゲームなどでネットが活用される機会が格段に増加したため、高速通信が可能な賃貸物件は特に重宝されています。
3.賃貸需要の調べ方
ここまで賃貸需要が高いエリアの特徴を中心にお伝えしてきました。
では、実際に賃貸需要が高いかどうかを調べるにはどうしたらいいのでしょうか。
その方法について一緒に見ていきましょう。
転入超過数に着目する
賃貸需要を調べる方法のひとつとして「転入超過数」に着目する方法が挙げられます。
転出者数より転入者数が多い状態を「転入超過」といい、総務省が公表している「住民基本台帳」で確認可能です。
転入超過の傾向にあるエリアは賃貸需要が高まっていると判断され、物件選定の際にひとつの指標となるでしょう。
賃貸空室率を確認する
株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME'S」ではエリア別の「賃貸空室率」を確認できます。
空室率が平均値を上回ってしまうエリアはなにかしらの問題が潜んでいることから、物件を選ぶ際は注意が必要です。
不動産会社に問い合わせてみる
アナログな方法ではあるものの、対象エリアの不動産会社に直接聞いてみるのも賃貸需要を把握するために有効な手段です。
そのエリアのことをよく知っているからこそわかる情報が得られるだけでなく、昨今の賃貸需要ニーズについても把握できるでしょう。
また、問い合わせる際は具体的な物件の条件を伝えることで、より正確な情報が得られます。
4.家賃相場もあわせて確認しよう
投資用賃貸物件を探す際、空室率ばかりに目が行ってしまいがちですが「家賃相場」も併せて確認するように心がけましょう。
賃貸需要が高く、空室率が低いエリアであったとしても、家賃が適正でなければ思うような収益は得られません。
家賃についてはエリア内の不動産会社に尋ねてみるほか、賃貸募集サイトで似たような物件を探すことでおおよその家賃が把握できます。
空室率や家賃相場など、総合的に見てよいと思われる条件を満たしている物件を探すようにしましょう。
5.賃貸経営で収益性を確保するためのコツ
ここまで入居希望者のニーズに見合った物件の見つけ方についてお伝えしてきましたが、投資用不動産の経営健全化を図ることもまた大切です。
そこで、賃貸経営における収支状況を健全化するためのコツについて紹介します。
ローン返済にかかる負荷を低減する
不動産投資をするうえで、多くの場合は金融機関からローンを借り入れ、ローンの返済とも長期にわたって付き合っていかなければなりません。
賃貸需要があり空室リスクの低い物件を手に入れたとしても、ローンの返済額が毎月の賃貸収入を上回っていては思うような成果が見込めず、返済が滞ってしまう可能性も考えられるでしょう。
ローンの返済負担を下げるためにも、以下の2点を念頭に置いておく必要があります。
- 自己資本比率を上げる
- 物件の建築費・購入費を下げる
まず、自己資本比率について。
なにをはじめるにも自己資金が多いに越したことはありません。
自己資金が少ないとローン返済の負担が大きいことに加え、借入限度額も下がってしまいます。
そのため、物件購入前に計画的に自己資金を貯めておくように心がけましょう。
また、物件の建築費・購入費については時期の見極めがカギを握ります。
時期によって建築費・購入費に多少の変動が生じるため、不動産会社が提示する情報をこまめにチェックし、市場の状況も都度把握することをおすすめします。
6.まとめ
賃貸需要が高いエリアの特徴は以下の4点です。
- 生活基盤が充実している
- 利便性が良い
- 周囲に賃貸用物件が多い
- 災害リスクが少ない
上記4つの条件をすべて満たしているエリアを見極めるのはなかなか難しいかもしれませんが、なるべく複数の項目を満たしているエリアを見つけるようにしましょう。
また、賃貸物件を探す際は空室率に着目するのはもちろんのこと、家賃相場にも目を向けることが大切です。
少子高齢化や人口減少といった社会問題に加え、コロナ禍にある昨今において随時変化する入居希望者の賃貸ニーズを適切に把握し、健全な不動産経営を目指しましょう。