【16の習慣を紹介】 サステナビリティな社会実現のために私たちができること

 

この記事の目次

環境や社会、経済の持続可能性に配慮する「サステナビリティ」という考え方をご存知でしょうか?

ここでは、昨今話題にされているサステナビリティとは何か、サステナビリティ実現のためにできることは何かをご説明します。

「どんな取り組みを始めれば良いのか」が気になる方は、こちらのリンクから「16の習慣」を紹介する場所にジャンプできます。

≫「サステナブルな社会実現のためにできること

いま話題にされている「サステナビリティ」とは

サステナビリティとは、主に環境・社会・経済における持続可能性を指す言葉です。

一般的には、環境・社会・経済が正常な状態を保てるような配慮や、機能を維持するための取り組みを指します。

産業革命以降、私たちは多くの資源を消費して生活を豊かにしてきました。

しかし、短期的な発展は地球温暖化や資源枯渇などの環境破壊を進め、経済活動や社会構造にあらゆる格差を生じさせています。

一連の課題を放置すれば文明の寿命が短くなり、後世に負債を残すことになるのです。

本記事では、このような「広い領域を正常に維持するための考え方」をサステナビリティと定義し、解説を進めていきます。

サステナビリティが注目される理由

昨今、サステナビリティに注目が集まる理由は、2015年9月に採択されたSDGs(持続可能な開発)に由来します。

193の国連加盟国が合意したSDGsは、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標です。

SDGsは以下17のゴールを設定しており、発展途上国だけでなく日本を含む先進国も積極的に参画する枠組みとなっています。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任、つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

上記目標の達成に関心が高まったからこそ、より広義の概念である「サステナビリティ」という概念が注目されているものと考えられます。

サステナビリティとSDGsの違いとは

持続可能性をあらわす際、サステナビリティやSDGsといった言葉が使われる場面は増えました。

これらは近しい意味の用語であるものの、やや違ったニュアンスを持ちます。

用語 概要
サステナビリティ 環境・社会・経済における持続可能性への配慮、およびその考え方
SDGs 各国が参加し、2030年までに持続可能な世界を目指す国際目標

サステナビリティはより抽象的で大きな概念であり、SDGsはサステナビリティを体現する目標の1つだといえるのです。

サステナブルな社会実現のためにできること

サステナブルな社会とは、環境・社会・経済にとって過剰な負担を強いない社会を指しています。現状ではとくに環境問題を指して問題提起されることが多く、廃棄物の低減やモノの再利用、脱炭素化の大切さが説かれています。

脱炭素化とは、異常気象や生態系破壊の原因となる地球温暖化を防止するため、二酸化炭素の排出量をゼロに近付けることです。

脱炭素社会についての詳しい解説は、以下の記事をご参照ください。

環境問題に向き合いサステナブルな社会を目指すうえで、私たちには何ができるのでしょうか。

日常生活に取り入れられる行動・習慣や、すでに大々的に活動を行っている企業の一例を解説していきます。

私たちが日常生活でできること

私たちがサステナブルな社会を実現するためにできることは数多くあります。

私たちが日常生活でできることのうち、実践しやすいものを16つご紹介します。

項目 できることの一例
紙を電子で代替する 紙ではなく電子(オンライン契約など)を利用する
メモ書きにはスマートフォンのメモ機能を利用する 
明細を紙ではなくメールやオンラインサービスで受け取る
節水・節電を心がける 水道水を出したまま放置しない
エアコンの極端な温度設定を控える
日当たりの良い時間、部屋にいない時間は消灯する
フードロスを減らす 訳あり商品、割引商品を購入して廃棄を減らす
食べられる量を調理し、必要以上に食料を買い込まない
すぐに食べられない食材は冷凍保存する
モノを長く使う 衣服や雑貨などをできる限り長く使う
何か新調するときは長持ちするかどうか考える
プラスチックの廃棄を減らす 水筒を持ち歩き、出先での飲料購入を最小限にする
マイバッグを持ち、レジ袋の利用を控える
エシカル消費を意識する 障がい者支援につながる商品を購入する
フェアトレード商品を購入する
被災地産品を購入する

一番下の「エシカル消費」という言葉に聞きなれない方もいると思いますが、エシカル消費は良心に則り人や社会、地球環境に配慮する倫理的な消費行動のことです。

もう少し具体的に定義すると「社会的な課題の解決につながる消費活動をすること」ともいえます。

エシカル消費を含め、いずれも極端に難しい行動ではありませんが、浸透していないのが実情です。

サステナビリティを意識した行動が、自らにどう影響を及ぼすのか、実感が湧かないことが浸透しない主な理由でしょう。

日本は先進国であり、世界でも比較的恵まれた生活環境であるため、サステナビリティを意識した行動を取ることに意義を見いだせないのも無理はありません。

しかし世界のどこかでは、今日も貧困や格差に苦しんでいる人が多くいます。

これを他人事だと判断するのではなく、自らの行動で救える人々がいるのだと考える想像力こそ、サステナブルな社会を実現するために不可欠なのかもしれません。

日本の企業が行っている取り組みの一例

サステナビリティが重要視されている今、企業も長期的視点を踏まえた方向性へ舵を切っています。

ここでは日本の企業が行っている取り組みを2社紹介します。

マツダ株式会社

日本の自動車メーカーであるマツダは、2030年を見据えた長期ビジョンとして「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」を公表しています。

同ビジョンは自動車の製造を通じて地球・社会・人にアプローチし、より良い社会の実現を目指すものです。

アプローチの観点 アプローチの一例
地球 「Well to Wheel」の観点から、企業平均CO2排出量を2030年までに50%削減、2050年までに90%削減する(2010年比)
社会 先進安全技術「i-ACTIVSENSE」の標準化を推進し、自動運転技術の標準装備化を2025年までに目指す
自動車のデザインを芸術の域まで高めることで、見る人の心を豊かにする

参照:「サステイナブル“ZOOM-ZOOM”宣言」

サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030に登場する「Well to Wheel」は、燃料を採掘するところから車両を走行させるまでの過程を包括して指す言葉です。

別の用語である「Tank to Wheel」と比較すれば「Well to Wheel」が示す意味を理解できます。

  • Well to Wheel:燃料採掘から走行まで
  • Tank to Wheel:燃料タンクから走行まで

つまり、燃料タンクに燃料を入れてから走行させるまでのCO2排出量ではなく、マツダは「燃料採掘から走行までの過程に生じるCO2」を対象として削減目標を立てているのです。

より大局的な視点で二酸化炭素の排出量を削減する考え方とも捉えられるでしょう。

積水ハウス株式会社

積水ハウスは、2050年に向けた長期ビジョンとして「サステナビリティビジョン2050」を策定し、5つの観点から2030年・2050年の目標をそれぞれ設けています。

以下は積水ハウスが策定したものを抜粋し、要点をピックアップしたものです。

アプローチの観点 目標の全体像(一部抜粋)
脱炭素社会へ先導 SBT目標(温室効果ガス削減目標の指標)を達成し、2050年には住宅の生産~解体までのライフサイクルにおけるCO2排出量をゼロにする
人と自然の共生社会へ先導 年間100万本規模の植栽本数を持続し、2050年にはフェアウッド調達100%を実現する
資源循環型社会へ先導 住まい方や社会変化に対応するリフォーム・リノベーションを提供し、その過程で生じる廃棄物のゼロエミッション(排出ゼロ)を実現する
健康・長寿先進社会へ先導 健康・つながり・学びに着目した住まいづくりを推進し、2050年には居住環境とコミュニティを整備して長寿社会に寄与する住まいづくりを実現する
ダイバーシティ社会へ先導 各々が個性を発揮できる経営を実践し、誰もが自分らしく能力を発揮できる社会を実現する

上記の目標に使われている「フェアウッド」とは、伐採地の森林環境に配慮した木材を指す言葉です。

信頼できる第三者機関の認証を受けた木材や、廃材の利用や修理・再生による木製品などが挙げられます。

違法伐採による木材は森林環境に悪影響を及ぼすほか、取引による利益が犯罪組織に流れる懸念もあるため、そういった事態を回避するためにフェアウッド調達が重要視されているのです。

資産運用もサステナビリティを意識する時代

昨今では、資産運用の領域でもサステナビリティが意識されています。

たとえば、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の英語から頭文字を取った「ESG投資」は、以下のような観点から長期的なリターンを追求する投資指針を指す言葉です。

項目 概要
環境(Environment) 二酸化炭素の排出量削減、再生可能エネルギーにより創出された電気の利用など、環境保全に配慮した投資先であるか
社会(Social) 従業員の働きやすさ、女性の活躍機会や地域社会への貢献など、健全な社会の実現・維持に配慮した投資先であるか
ガバナンス(Governance) コンプライアンスや事業の透明性を担保するなど、ガバナンスに配慮した投資先であるか

これらに配慮した企業を選ぶ投資行為、およびその投資指針をESG投資と呼びます

世界的に「ESG投資」が注目されている理由

ESGの視点を組み入れた、PRI(国連責任投資原則)と呼ばれる投資原則が提唱されたことをきっかけとして、ESGの考え方は注目されるようになりました。

PRIにおいて定められた6つの原則は以下の通りです。

  1. 私たちは、投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込みます
  2. 私たちは、活動的な所有者となり、所有方針と所有習慣にESGの課題を組み入れます
  3. 私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます
  4. 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行います
  5. 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します
  6. 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します

引用:PRI「責任投資原則」

いまや多くの投資期間がPRIに署名し、ESGの観点から持続可能性を評価できる企業に投資することは、世界の共通認識となっています。

日本国民の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も2015年にPRIへ署名しています。

少額から再エネ普及に貢献するなら「ファンド」がおすすめ

現在、日本は電力供給を火力発電に頼っています。

当メディアの記事「エネルギーミックスとは?2030年に向けたエネルギー問題解決への取り組み」でも触れていますが、火力発電は地球温暖化の原因となる二酸化炭素を多量に排出するため、持続可能な電力供給には適していません。

そのため、再生可能エネルギーによる発電の割合を増やし、二酸化炭素を排出しない発電方式を普及させなければならないのです。

私たち個人が再生可能エネルギーの普及に貢献する際「ファンド」は少額から発電事業に参画できる便利な枠組みです。

弊社が提供している『ソライチファンド』も、少額から太陽光発電事業に参画できる枠組みの1つ。

ソライチファンドの場合、本来は個人規模でも初期費用として数百万円、数千万円の資金を必要とする太陽光発電事業に50万円から参加できます。

太陽光発電ファンドの仕組み、特徴については以下の記事で詳しく紹介しています。

ぜひ、本記事とあわせてご参照ください。

まとめ

サステナビリティと聞くと、環境意識の高い人が使う言葉に思えますが、実際には私たち一人ひとりが「より良い社会」を次世代に残すため意識すべき考え方です。

本記事で紹介したように、サステナブルな社会を実現するためにできることは多くあり、その大半は些細な習慣によって実現できます。

より良い社会をつくるため、1つでも生活に取り入れてみてください。


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